人間ドックは、病気の早期発見を目的として行なわれるものという概念が強いです。
しかし、考えてみれば、早期発見を目的として人間ドックに行き、検査を受け、何らかの懸念部分があった場合、精密な検査が受けられ、また治療が可能な医療機関を紹介されます。紹介される医療機関は大抵、大型病院でMRIやペットCTなどの精密な検査機器が配置されており、そこで確定診断を受け症状が告げられます。がんであることが告げられると、すでに進行しているということもあり、このようなケースでは、早期発見のための人間ドックとは言えません。では、人間ドックはどのような目的があると言えるのでしょう。ドックにより、精密な検査が行なわれ、診断結果が出ると、その時点での患者の状態にあった治療を探すのです。がんと一口に言っても、患者により進行度や腫瘍の悪性度などが違い、また、患者さんの体力や年齢にも治療方法が左右されるでしょう。より正確な現在の状態を知ることで、治療方法を探し、また、改善に少しでも近づくことが大切となります。例えば、末期がんと言っても治療が期待できる方法もあり、治療実績の高い医療機関も全国各地に多く、またスーパードクターと呼ばれる医師も多いのです。治療を完ぺきなものとするために、正しい体の状態を把握することが大切で、それを知るための手段として人間ドックがあるのです。ドックを受ければ数年は大丈夫というような誤解がありますが、決してそのようなものではありません。