人間ドックを国が進める理由とは

1970年代に女性の平均寿命が77才で男性の平均寿命が72歳であった頃と比べて、現在までの40年でおよそ7歳から8歳もの寿命が延びており、長寿の人であれば90歳を超えるという人も多くなってきました。

寿命が延びた背景に、医療が先進的となり、とくに病気を発見する医療機器が発展を遂げ、正確な病気の状態を把握することが出来、それに対する治療方法や治療薬の開発が進んだことで、多くの命が助けられるようになったのです。昔であれば手術や薬物療法がメインとなり、またその治療方法は現在の方が比べ物にならないほど多く、また放射線治療などの分野で先進医療が進み、患者さんが治療を選べるようにもなったのです。これにより助からないと考えられていた不治の病であるがんも治療可能となり、寿命が延びたと言えるのでしょう。さらに、日本人の長寿化や食生活の欧米化などががん患者そのものを増やし、2人に1人ががんにかかる時代と言われるようになりました。このことを深刻に考える国が、がん対策基本法という法整備を進めると、がん予防や早期発見、早期治療の側面を高めるべく、国による検診や人間ドックを推奨する動きがあります。男性に多い、胃がんや肺がん、前立腺がん、女性に多い、乳がんや子宮がん、卵巣がんなどまたがん患者が若年化することで、がん検診や人間ドックを奨めています。検診であれば費用負担が少なくとも人間ドックは費用が掛かる問題の対策として、補助金が受けられる制度を設ける自治体もあるため、行政に問い合わせ、確認すると良いでしょう。